最近は本の要約サービスというのが出てきており、忙しいビジネスマンに人気になっています。僕の場合、400字程度の概要をチラ見してから購入することが多く、それでも迷う際には目次をチラ見してから判断するのですが、この要約サービスではそれよりも詳しい解説を手に入れることができます。
本の裏に書いてあるような概要のみをチラ見する場合、せいぜい1分程度ですが、この本の要約サービスの場合は1冊あたり10分程度のボリュームとなっています。
この本の要約サービスにはいくつかあり、「flier」や「ビジネス選書WEB」、あるいは「bookvinegar」などが人気となっています。書評ブログと違う点は、一般受けする需要の多い新刊本にしぼって組織化されていることです。なので、マイナーな本についてはあまり要約されていないかもしれません。
ただ、僕はこのような要約サービスはほとんど利用することがありません。
といいますのも、このような要約サービスの出現は、情報が氾濫する現代社会において、常に新しい情報や効率性を追い求める病にかかった現代人の要約であるといえるからです。つまり、「本には有用な情報や世のなかの真理が書かれている」という幻想に取りつかれてしまった病気ともいえます。
そのような幻想にとりつかれてしまうと、常に新しい情報を追い回すことになってしまい、次第に心身ともに疲弊してしまいます。ぶっちゃけ、本には大したことは書いてありません。なので、時間の無駄です。
現代人が今やるべきことは、いかにして情報を遮断するか、情報の断捨離をするべきかという点がより重要といえます。情報を遮断することによってしか得られない情報というのがあり、真実の真理は遮断された情報のなかにこそ隠されていると考えております。
つまり、本で得られる情報は単なるインフォメーションに過ぎず、それをため込むだけでは、決して我々のインテリジェンスにはなりえないのです。
このような本の要約サービスは、情報を捨て去ることと逆行する手法ですので、現代社会の病理をよく表しているともいえます。ぼくはこれを現代社会における情報のメタボリックシンドローム化と呼んでいますが、あえて遮断する勇気も必要なのです。
とはいえ、現実問題として、仕事などで最低限の知識が必要な場合、大量の本をいちいちさばききれない状況にありますので、このような要約サービスを利用せざるをえない実情も理解できます。そういった意味で、割り切って利用する分にはよいサービスかもしれませんね。