2015年12月アーカイブ

本の要約サービスに意味はあるのか?

最近は本の要約サービスというのが出てきており、忙しいビジネスマンに人気になっています。僕の場合、400字程度の概要をチラ見してから購入することが多く、それでも迷う際には目次をチラ見してから判断するのですが、この要約サービスではそれよりも詳しい解説を手に入れることができます。

本の裏に書いてあるような概要のみをチラ見する場合、せいぜい1分程度ですが、この本の要約サービスの場合は1冊あたり10分程度のボリュームとなっています。

この本の要約サービスにはいくつかあり、「flier」や「ビジネス選書WEB」、あるいは「bookvinegar」などが人気となっています。書評ブログと違う点は、一般受けする需要の多い新刊本にしぼって組織化されていることです。なので、マイナーな本についてはあまり要約されていないかもしれません。

ただ、僕はこのような要約サービスはほとんど利用することがありません。

といいますのも、このような要約サービスの出現は、情報が氾濫する現代社会において、常に新しい情報や効率性を追い求める病にかかった現代人の要約であるといえるからです。つまり、「本には有用な情報や世のなかの真理が書かれている」という幻想に取りつかれてしまった病気ともいえます。

そのような幻想にとりつかれてしまうと、常に新しい情報を追い回すことになってしまい、次第に心身ともに疲弊してしまいます。ぶっちゃけ、本には大したことは書いてありません。なので、時間の無駄です。

現代人が今やるべきことは、いかにして情報を遮断するか、情報の断捨離をするべきかという点がより重要といえます。情報を遮断することによってしか得られない情報というのがあり、真実の真理は遮断された情報のなかにこそ隠されていると考えております。

つまり、本で得られる情報は単なるインフォメーションに過ぎず、それをため込むだけでは、決して我々のインテリジェンスにはなりえないのです。

このような本の要約サービスは、情報を捨て去ることと逆行する手法ですので、現代社会の病理をよく表しているともいえます。ぼくはこれを現代社会における情報のメタボリックシンドローム化と呼んでいますが、あえて遮断する勇気も必要なのです。

とはいえ、現実問題として、仕事などで最低限の知識が必要な場合、大量の本をいちいちさばききれない状況にありますので、このような要約サービスを利用せざるをえない実情も理解できます。そういった意味で、割り切って利用する分にはよいサービスかもしれませんね。

若者の中古本離れが加速

ブックオフの買い取り離れが加速しているようですが、これには様々な要因があるとぼくは考えております。

  • 買取価格が低い
  • 購入価格が高い
  • ヤフオクの方が高く売れる
  • アマゾン買取サービスの出現
  • 書店の売り上げが低調
  • 電子書籍の普及が本格化
  • レンタル本の普及

ブックオフはいわゆる「中古本」(used book:人が一度使った本)といわれていますが、希少価値のある「古本」(old book:年代の古い本)の買い取りとは多少、テリトリーが違います。趣旨としては、比較的新しい新刊本を安く買い取り、需要のあるうちに高めで販売するというビジネスモデルかと思いますので、プレミアのつくような希少性のある古本の買い取りなどはあまり力を入れていないようです。

このような希少性のある学術本や専門書などについては、ヤフーオークションなどで処理するとある程度の値段で売れるケースがありますが、ブックオフではそれほど高い価格がつきません。なので、ゴミで処分するのも何だから、不用品として買い取ってもらおうというようなニュアンスで売却している人が多いと思います。

けれども、時間をかけて重いものを持って出かけていっても、タダ同然の価格になることもあります。持ち帰るもの面倒なので、そのまま置いて帰る人も多いと思いますが、二束三文で引き取られる屈辱感みたいなものを感じてしまうのかもしれません。

なので、わざわざ引き取ってもらう手間を考えると、そのままゴミで処分した方がよいという結論になるのだろうと思います。

ぼくの場合もそうですが、不要な本が溜まってきた際にはそのままゴミとして捨ててしまいます。売ればいくばくかの金額にはなるのかもしれませんが、その手間などを考えるとそういう気にはとてもなれないものです。

特の高額所得者で社長のぼくの時間給で考えますと、売却するのに1時間もかければ、それだけで1万円以上のコストがかかるわけです。なので、最低でも1万円以上にならなければ、その時間は仕事していた方がよいので、あえて買い取りしてもらおうという気にもなりません。

また、若者の読書離れが加速しており、書店での新刊本の売り上げが低調な状況ですので、結果として中古本として出てくる数も少なくなってきているのではないでしょうか。書店では買わず、ブックオフで中古本を買うことになると、レンタル的な意味合いで利用する人が多くなってきているのかもしれません。

いずれにしても、ブックオフの中古本に出すぐらいなら、捨てた方がましというのが僕の持論です。

「作家になったらいくら稼げるの?」というのは誰もが気になるものですが、印税収入の場合、たいていは1冊書いて数十万円程度の収入というのが実態となっています。

100万部突破の大ベストセラーともなれば、数千万〜数億円の印税も狙えますが、この印税収入には所得税も発生するため、それほど手元にはお金が残らないということが言われています。

この計算式は以下のようになっています。

定価×出版部数×印税率(3%〜10%程度)

仮に、1,000円の本が1万部売れ、印税率が10%だった場合、100万円の報酬ということになります。現在は出版不況ですので、10万部突破でもベストセラーといわれますが、当たってもせいぜい1,000万円程度の収入にしかならないので、印税生活は夢のまた夢といえます。

けれども、漫画本の場合、ワンピースのように3億部突破というケースもありますし、数千万部突破のケースもわりと多いです。また、テレビ放送や映画化、あるいはグッズ販売などによって巨額な利益になるケースもあります。なかには、北斗の拳のように、スロット化で膨大な収入になることもあり、印税で稼ぐという点では、マンガやコミックの方が夢のある稼ぎ方といえるでしょう。

一方、ブログ記事ではいくらぐらいの印税が入るのでしょうか?

もちろん、ブログ記事では印税など入ってはきませんが、広告を掲載することによりある程度の収入にはなります。この計算式は以下のようになっています。

累計ページビュー×広告単価0.01〜10円程度

僕の場合はだいたいpv単価が10円ぐらいですが、これはかなり高い部類に入るはずです。ワンピースにはとうていかないませんが、累計で数千万円以上〜1億円未満は稼いでますので、小説でいうと100万部ぐらいのベストセラーと同じぐらいの収入にはなっているものかと思います。

これではなんだか申し訳なく感じてしまいますが、ネットの場合、数年単位でのアクセス数に大きな変化がないケースも多いため、安定的なページビューを長期的に稼げるというメリットがあるのです。

小説で10万部のベストセラーの場合、仮に1冊200ページとしますと、ページビューでいえば2,000万ページビュー程度にはなるはずです。10万部で1,000万円稼げたとしますと、この場合のページビュー単価は0.5円ということになります。

けれども、テレビなどで話題になっている時期がすぎれば、そのあとはあまり売れなくなってしまうものと思います。はやりの時期がすぎれば、本の売れ行きも落ちていき、ページビューが急落してしまうわけです。

つまり、やりようによっては、ブログ記事でも、大ベストセラーに匹敵するぐらい効率よく稼げるということがいえるかと思います。

今後はブログ作家をめざした方が稼ぎやすいのかもしれませんね...。

以前、電子書籍を読むにはiPad Air + kindle版で読むのがベストと書いていたのですが、パソコンのブラウザで読める「kindle cloud reader」が登場してきました。こちらはPC上で閲覧することができるため、仕事で使用する資料的な電子書籍は、kindle cloud readerを使って読む方が便利かと思います。

例えば、Javascriptの勉強をしているとすれば、ブラウザのタブで電子書籍とサーバーの管理画面を切り替えつつ、実際に手を動かしながら習得することができるわけです。

あるいは、様々な資料を参考にしながらウェブサイトを作成する場合や、税務関連の電子書籍を参考にしながらエータックスする場合など、本の種類によってはブラウザで開きながら閲覧した方が効率的です。

個人的に、マンガや写真集などのエンタメ性の高いものについては、iPadのアプリを立ち上げて読んでいますが、仕事に関連するものについては、このkindle cloud readerを使ってます。このkindle cloud reader自体は無料で利用することができますが、電子書籍については、もちろん自分で購入したものしか閲覧することができません。

ここでふと思ったのですが、パソコンのブラウザ上で電子書籍が読めるのであれば、キンドル端末は特に必要ないんじゃね?っていう気もしてきました。

もともとキンドルの操作性は今いちだったので、たいていはiPadのアプリを立ち上げて電子書籍を読んでおりましたが、パソコンのブラウザでも読めるとなると、さらにキンドルを使用する機会がなくなってしまいます。

数年前に8千円ぐらいだしてkindleペーパーホワイトを購入したのですが、今ではほとんど使うことがありません。てっきり、アマゾンの電子書籍はkindle端末がなければ読めないものと思っていたのですが、iPadやPCがあれば、実際は全然必要なかったりしたようです。

もし、仕事上で必要な書籍など資料として読む際には、パソコンで作業をしつつ、タブで切り替えながら電子書籍を参考にしながら作業をすると効率的かもしれません。

今年、芥川賞を受賞した又吉さんの火花が話題になりましたが、約240万部のヒットになっているようです。アマゾンで調べてみたところ、単行本が1,296円ですので、定価を約1,300円としますと売上は約31億円ということになるかと思います。

一般的に著者に入る印税は1割と言われてますので、印税はだいたい3億円ぐらいになるのかもしれません。これが高いのか、安いのかでいえば、ちょっと安いかなという気がします。宝くじでも5億円とか得ている人がいるわけですから、日本でベストセラーになっても3億円というのはちょっと夢のない話です。

加えて、雑所得や事業所得の扱いになりますので、税金面でも半分近くがもっていかれることになるはずです。所得税や住民税、個人事業税などでほぼ半分程度は持っていかれることでしょう。個人事業で納める税金には以下のような種類があるようです。
https://www.private-business.jp/tax/jiturei.html

また、吉本興業の取り分もあるとかないとかの話があります。仮に、半分程度をもっていかれるとすると、実質的な収入は1億円には満たない気がいたします。

ただ、メディアでの露出が増えることで、芸能人としての知名度やステータスはアップするものと思います。作家では食べることができないとしても、教養のある知的芸能人としての地位を確立できれば、印税収入などは単なるステップにすぎなくなるかもしれません。

いずれにしましても、芥川賞は新人賞ですので、この賞がゴールではなく、これからのステップにして活躍していってもらいたいものです。