ハルキストは出版業界が仕組んだマーケティングの産物ではないか?

村上春樹氏の熱狂的なファンはハルキストと言われていますが、アンチも多く、好き嫌いが分かれる作家かと思います。ただ、アンチ・ハルキスト派の人たちも昔は読んでいたという人が多く、完全に嫌われているわけでもありません。

一般的な傾向として、読了後に残るものは何もないけれども、読書中は楽しめる種類の本ですので、暇や時間のある人しか読めない小説かと思います。何度も繰り返して読む文学性の高い本ではなく、時間を消費するために読むエンターテイメントの本といってもよいかもしれません。

なので、学生などの若い時には読む時間はあるものの、社会人になってからは読むのが苦痛になってくるはずです。羊がどうしたとか、ねじまき鳥がどうのとか、大人になってからはどうでもよくなってしまうものです。

10代の頃はおしゃれで洗練された大人みたいな感覚があって新鮮に感じられるかもしれません。また、異質でファンタジックな奇妙な世界へ冒険できる楽しさはあるものの、大人になれば、次第に現実はまったく違うという感覚になってきます。

そのため、「スカシてんじゃねぇよ」とか、「かっこつけてんじゃねーよ」という感覚が出てきてしまい、次第に受け付けなくなってしまうものと僕は推測しております。読むのが面倒くさくなってしまうわけです。

そのようなファッション性の高い、薄っぺらい文学であるという印象があるため、ノーベル文学賞受賞などといった話が出てくると、それは違うんじゃないかということになるのだろうと思われます。これはおそらく、マーケティング効果が高いから出版業界が仕組んでいるものと思われます。ノーベル文学賞の時期になるとテレビで報道されるケースが多いですが、大きな宣伝効果があるのかもしれません。

村上氏にとってみても本を売ることが仕事ですし、出版業者にメリットがあるのなら、それを否定することはないと思います。

ハルキスト派や反ハルキスト派の人口が多くなればなるほど、本が売れることになるはずですので、本当はノーベル文学賞など取れないだろうし、土俵が違うとはわかりつつも、マーケティング上の理由でそれを利用しているのではないかという気がしております。