2014年8月アーカイブ

以前、作家さんからウェブでの集客方法について相談を受け、しばらくメールのやりとりをすることがあったのですが、メールの文章がとても稚拙だったため、本当に作家の方なのだろうか?と疑問に思ったことがありました。

書籍での文体とは違い、中学生や高校生が書いたような、素人っぽい文体だったため、意外に思ったことがあったのです。改行の仕方や句読点の打ち方、あるいは装飾関連の順序など、私のような素人でもはっきりわかるぐらい稚拙なものでした。

ただ、文体は稚拙でも、内容自体は非常に中身の濃いもので興味深いものが多く、また、知的好奇心もこちらがへとへとになるぐらい旺盛でたじろいでしまったことがあります。作家さんはそのぐらいのバイタリティーが必要なのだなと感じたものでした。

ライティング方法について詳しく聞いてみますと、原稿を用意したあと、出版社のライターの方が修正して本の形に仕上げてくれるようなのです。なので、文章の中身は自分が書いたものだが、文体自体は他人のものだというようなことを言っていました。おそらくですが、出版社にはライターの方が大勢いるものと思いますが、校正にはある程度のスキルが必要なものと思われます。

ゴーストライターと違うのは、中身のコアなコンテンツ部分は作家本人が作成するため、本質的な内容の部分は作家本人が書いている点です。

一方、作家は本の内容にも一切関知せず、名前だけを貸す形で出版するケースもあるかと思いますが、この場合はいわゆるゴーストライターといえるのでしょう。

私も時間があれば、専門的な校正のスキルを身に付けたいのですが、本を読んで独学で勉強しているものの、なかなか文章が上達しません。上達するまで時間がかかるものなのかもしれませんが、スキルとしてのライティング力を高めていきたいと思っています。

PODというのは「プリント・オン・デマンド」の略ですが、出版業界で注目されはじめている分野です。今までは大量に印刷し、一度に市場に流通させるのが一般的でしたが、このPODシステムの活用により、注文がはいった時に、注文が入った数だけ印刷して消費者の元に届けることができます。

なので、在庫を大量に抱えてしまうリスクがなくなり、また海外の出版物なども輸入する必要がなくなるため、日本に居ながら短時間で書籍を入手できるメリットがあります。
加えて、小ロットからでも出版できるので、ニッチな分野の書籍でも出版しやすくなりますし、基本的にデータさえあればいいので、今後は絶版本がなくなっていくかもしれません。

出版社側では在庫を抱えなくて済むというメリットがありますし、加えて、一般の読者側でも絶版で読みたい本が入手困難になり、オークションなどで高値で入手するしかなくなるリスクを抑えることができます。

電子書籍とPODによる出版業界の革命により、既存の本屋さんはさらに厳しい時代になっていく可能性もあります。

すでにアマゾンなどではPODによる書籍も出始めておりますが、現在の市場規模は2900億円程度とみられているようです。ただ、横ばいの傾向が続いているようで、なかなか市場規模が拡大していかないようです。

おそらく、カラー印刷などはコストがかかるでしょうし、小ロットの場合はそれほど絶対量が見込めないため、印刷業者のうまみがないのかもしれません。

いずれにしましても、効率的なIT技術の活用や印刷プリンタの発達によっては、市場規模が拡大する可能性もあり、出版のすみ分けがされるものと予測しております。

とりあえずはPODで出版してみて、反応がよく部数が伸びるようなら、大量印刷により出版するといった形に変化していくものと思われます。

今年の芥川賞は小野正嗣さんの「九年前の祈り」、直木賞は西加奈子さんの「サラバ!」に決定したもようです。若者の読書離れがさけばれるなか、どんどん人気作家が出てくることで活字文化が復活するきっかけになればと願っております。

書店数はここ10年で5000店ほど減少してきており、書店は斜陽産業ともいわれています。そもそも本を読む人自体が減っているのか、それともアマゾンや電子書籍の登場で影響を受けているだけなのか、このあたりは判然としませんが、ネットの登場で紙媒体の書籍への需要が減少してきているように感じております。

けれども、紙の歴史は古代エジプトまで遡ることができ、もうかれこれ5千年ぐらいは紙で読んできたわけですので、ネットや電子書籍が登場したからといって、おいそれと書籍による読書がなくなるわけでもないと思います。

何かのきっかけで、また活字文化が復活するのではないかとも思っておりますが、直木賞や芥川賞で人気の作家が出てくるのが必須の要素になるのではないかと僕は思います。前回の受賞作品も、今回の受賞作品もまだ読んではおりませんが、今回はちょっと買ってみようかなと思っております。

個人的には、ネットの登場で読む情報量はかなり増えてはいるものの、じっくりと時間をかけて読むということがあまりなくなってます。サイトの平均滞在時間はほんの数分といわれており、時間のかかる読み物は苦痛に感じる体質になってしまっておりますが、今回はがんばって、1冊を読み切ってみようと思ってます。

若い頃の読書体験は将来の財産になる

最近、3年ぶりぐらいに本屋さんで本を買ってみたのですが、ピケティという経済関連の専門書本を購入してみました。この手の専門書は高価なものが多いですが、だいたい5千円ぐらいだったかと思います。

私が学生の頃、20年ぐらい前までは、アルバイト代を片手に、毎月5万円ぐらいの書籍を本屋でかっていたものです。最近は読む時間も気力もなくなりましたし、読むとしても軽めの本ばかりになっていたのですが、久しぶりに本格的な専門書を買ってみた次第です。

ただ、昔とは違い、本を読む力がかなり衰えました。

以前でしたら、厚めの専門書でも2~3日で読破していたのですが、今では1日5ページ読むのも苦労しています。まず、内容が頭のなかに入ってこないし、読んでいる途中で他のことを考えてしまい、30分も読むことができません。

そういった意味では、集中して読書のできる時期というのは、せいぜい20代前半ぐらいまでで、それ以降に本を読もうとしても、なかなか読めるものではないようです。

大人になってからだと、英語などの語学を習得するのは何かと困難がつきものですが、読書についても同じことがいえるのだろうと思います。そういった意味では、20代に本をたくさん読んでいたことは、ある意味、私の財産だったように思えます。

20代はボロボロだったものの、若い頃に蓄えた知識が功を奏したのか、30代で税率では上位2%以内に入ることができましたので、若い頃に植えておいた種がようやく実ってきたように感じております。

本を読んだとしても、必ずしも富裕層に入ることはできないと思いますが、ボクは若い頃に多数の読書をすることで、いずれは何等かの役にたつものと思っています。

これは若い時期にはなかなか気づくものではありませんが、本をたくさん読むということは、いずれは自分の財産になるものと思います。一方、学歴はまったく関係ないと思ってます。どのような大学であったとしても、その4年間でたくさんの読書をすることをおすすめします。

電子書籍は世界5大発明のひとつだ

あらゆる分野で電子書籍化が進んでおりますが、紙媒体で対応する分野が少なくなってきたと感じております。最近は納税についてもイータックスが出てきたようで、1部の正式な書類を除けば、PDFなどの電子書籍で対応可能になってきました。

ほか、動画や音楽の分野でも電子化が進んでおり、書籍と同じようにDVDやCDなどの売れゆきが減少しているようです。

こうなってきますと、キー入力だけで済みますので、文字を書くという機会が次第に減少してきます。論文や作文、手紙などもパソコンで済むようになりますので、ゆくゆくはノートを取るというようなことがなくなってゆくのだろうと思われます。

世界4大発明に、紙、活版印刷、羅針盤、火薬があり、活版印刷により大量の書物が流通するようになりましたが、この電子書籍というのも世界5大発明に加えられることでしょう。大きくいえば、ネット上のウェブサイトというのも、html形式の電子書籍のひとつだと思われます。

スマホなどの端末からネットに接続すると膨大な量の情報にアクセスできますが、これと同じ規模の情報を紙媒体で得るとすると膨大な量の書籍が必要になります。逆にいえば、膨大な量の情報に手軽にアクセスできるということですので、日常生活におけるあらゆるトラブルに対するソリューションを簡単に得ることができるわけです。

これによって、誰でも必要な情報には簡単にアクセスできるようになるので、次第に情報格差がなくなっていき、誰もが質の高い生活をエンジョイできる時代になっていくのだろうと思われます。