書店で購入できる通常の書籍と比較すると、電子書籍の場合、ネット上でユーザーを絞り込んだ上で販売できるという利点があります。ターゲットを絞った上で、コアなユーザーに高額な価格で販売できるという利点があるわけです。
もちろん、本屋さんで売っているような書籍をネット上でも電子書籍で同じように販売することもできますが、その利用方法の部分である程度の違いがあるわけです。
書籍で公開する情報というのは不特定多数に読まれるものですので、薄利多売が基本になります。ハードカバーが1冊10万円とかしても、おそらくは誰も購入する人がいないはずです。10万円も出すぐらいなら、立ち読みで済まそうという人が多くなるものと思います。
一方、電子書籍では100万円という情報本の類も実際に存在します。例えば、ビジネスに関するレアな情報とかになりますと、その情報を知っているかいないかによって、事業収益に数千万円の違いが出てくることも実際にありますので、100万円でも実際に売れるわけです。
また、出版社をとうして本を出す場合には、不特定多数に向けて情報を発信しなくてはならないので、書いてしまったらタブーとなることや、あるいは本音では書けない部分も少なからずあるものです。この点、電子書籍の場合は、読書との距離感が非常に近いため、ある程度は本音の部分で書くことができます。
電子書籍は単に本を電子化したものではなく、閉じられた距離感のなかでコアな情報を提供するのに利点があるといえるでしょう。