いわゆる身になる本というのは、何度も繰り返して読んだ本のことだ。一度しか読んでいない場合、たとえそれが良書であったとしてもあまり意味はない。本というのは、何度も繰り返して読むことによって、自分の血となり、肉になるのである。一方、一番無駄なのは、かざっておくだけの本のこと。インテリアがわりに百科事典などをかざっている向きもいるようだが、そんなのは逆に趣味が悪い。
知性は金で買えるものではなく、買おうとした時点で品性が下がるのである。ただ、成金であったとしても、熱心な成金というのは意外に読書家であったりもする。人知れず勉強している人でなければ、経営者としても務まらないし、逆にいえば、努力家だったからこそ、成功したともいえるのである。
そのような意味において、オススメする読書方法は、何度も繰り返して読むこと。これに尽きる。「朱に交われば赤くなる」という言葉があるが、これは読書においても同じことで、何度も繰り返して読むことで、自ずとそのような思考方法ができてしまうのである。
この点、悪書を繰り返し読めば、それだけ人間としての質を悪くするし、逆に良書を繰り返して読むのならば、それなりの人間になれる。
良書というのは、一度や二度読んだぐらいではあまり意味がない。何度も何度も繰り返して読む。そうすれば、どんなに頭の悪い人間でも、それなりの思考方法は身につくものである。